iPhoneは「ブランド」、Androidは「操作性」...スマホ購入時に重視するポイントなぜ違う? 調査担当者が納得の解説
J-CASTニュース / 2024年3月27日 20時22分
スマホをブランドで選ぶ、機能で選ぶ?
iPhoneとAndroid。みんな何を重視してスマホの機種を選んでいるのだろうか。
NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年3月25日に発表した調査「スマホ購入時に重視するポイントはどこ?」によると、iPhone派は「ブランド」、Android派は「操作性」を重視して選んでいるという。
それが、iPhoneとAndroidのそれぞれの一番の魅力なのだろうか。調査担当者に聞いた。
30代以下半数がiPhone、年長者に人気のAndroid
モバイル社会研究所の調査(2023年1月)は、全国の15歳~79歳のスマホユーザー6559人が対象。まず、利用しているスマホの機種を聞くと、iPhoneが2712人、Androidが3058人、シニア向けスマホが161人だった。
年代別の比率を見ると、iPhoneでは10~30代までが47%と約5割であり、Androidの30代までの23%と比較して、2倍以上だった。若い世代に圧倒的にiPhone派が多いことがわかる【図表1】。
次に、購入時に重視することについて、利用機種別で聞いた結果(複数回答)が【図表2】だ。「操作性(持ちやすさ、同系統端末の使い慣れなど)」は、全種ともに高い結果となった。
しかし、iPhoneでは「メーカーや端末のブランドが好きだから」が26%となり、「操作性」(25%)を僅差ながらも上回ってトップに。Androidと比較して9ポイントも高くなっている。
一方、Androidでは「操作性」(31%)、「メモリ・ストレージ容量」(27%)、「カメラ機能」(22%)、「グラフィック性能」(15%)など、機能面の重視が高いことが目につく。これら機能面の項目の割合は、いずれもiPhoneを上回っているのだ。
iPhoneはアップル1社、Androidは多くのメーカー
このiPhoneとAndroidの差はどこからくるのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、モバイル社会研究所の調査担当者に聞いた。
――スマホ購入時に重視するポイントとして、iPhoneは「ブランドが好きだから」、Androidは「操作性など機能面で優れているから」という調査結果が出ましたが、ズバリ、この理由は何でしょうか。
iPhoneとAndroidの機能や、操作性、デザインなどの商品特性に関係しているのでしょうか。
調査担当者 要因はいくかあるかと思いますが、以下のようなものはあるかと思います。
(1)スマホ市場は、立ち上げ時からiPhoneが牽引していた点があり、「スマホ=iPhone」というブランドイメージが構築されていること。
(2)iPhoneはアップル社1社ですが、Androidはソニー、サムスン、グーグル、シャープ、富士通、オッポ、シャミオ......と多くのメーカーから発売されているため、「ブランド」に対する思いがiPhoneに比べて多様です。つまり、ブランドにこだわらない人の比率が、Androidのほうが高いのです。
(3)Androidは形状なども多様なものがあるため、機能重視が高くなっていると考えらえます。
――モバイル社会研究所の2022年11月の調査「iPhoneユーザーの若年化が進行」によると、iPhoneユーザーはスマホを持ち始めた時期が早い傾向にあり、スマホ操作の習得方法も、iPhonユーザーは「人から教えてもらった」「インターネットで調べた」という人が多いと」あります。
一方、Androidユーザーは「取り扱い説明書で調べた」「手探りで学習した」人が多い傾向とあります。このことと、今回の調査結果と関係があるでしょうか。
調査担当者 こちらは、iPhoneとAndroidのブランド、操作性志向などは起因しないかと思います。
というのは、iPhoneはiOSで操作性がほぼ均一なため、ユーザー間でのノウハウ・教え合いがあると想定します。
一方、Androidは、各メーカーがそれぞれ工夫をこらした作り込みをしており、ホーム画面やプリインアプリなどもメーカーごとに異なります。
まわりに同機種を使っている比率がiPhoneに比べて高くないため、取扱説明書などでの修得が多いのでは、と思います。
iPhoneは女性が、Androidは男性が多いのも要因か
――なるほど。ところで一般的にiPhoneユーザーは女性が多く、Androidユーザーは男性が多いとされていますね。女性はブランドを重視する傾向にあり、男性は操作性という実利性を重視するからという要因は考えられるでしょうか。
調査担当者 比較的、その傾向はあると思います。
iPhoneとAndroidの違いの調査は面白いものです。今後の動向は経年で見ていこうと思っています。【図表3】は、当研究所で出した「モバイル社会白書」「最もよく利用する携帯電話(1台目)の年次推移(単一回答)」ですが、AndroidとiPhone別では、2023年のAndroid比率は53.0%、iPhone比率は47.0%です。
両者のせめぎ合いの背景に何があるのか、興味は尽きません。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
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